黒い食べ物は健康に良いとよく言われます。黒豆、黒米、黒ウコンなどは、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが濃縮されて黒い色になっています。ミネラルも豊富に含まれています。その他、黒ゴマ、ヒジキ、昆布などがあります。そして、我らが沖縄の黒い食べ物の代表格は何といっても黒糖です。黒糖は、サトウキビの搾り汁を煮詰めて濃縮したもので、精製工程を経ずに蜜がまるごと含まれています。その濃縮された蜜の部分にポリフェノールやミネラル類がぎゅっと詰まっているわけです。他方、グラニュー糖や上白糖などは蜜が除かれ精製されているためポリフェノールやミネラルは含まれていません。
写真提供:沖縄県黒砂糖協同組合
写真提供:沖縄県黒砂糖協同組合
黒糖を黒褐色にしている成分はメラノイジンと呼ばれる抗酸化物質です。メラノイジンは健康を維持する機能について多くの研究が行われています。また、黒糖にミネラルが豊富に含まれていることはよく耳にすることですが、実際どのような栄養素が豊富なのか?日本の法律に基づいた「食品表示基準」というルールにおいて、栄養素を「豊富に含む」と表示することができる基準値(100gあたりの含有量)が定められています。黒糖に含まれるミネラルのうち、カリウム、カルシウム、鉄分の含有量が「豊富に含まれる」と強調できる基準値を大きく上回っています。これらのミネラルはいずれも、日本人が不足しがちな、あるいは健康維持のために積極的な摂取が勧められているミネラルです。もちろん、だからと言って黒糖ばかりを食べていたら糖分やカロリーのとり過ぎになってしまいます。黒糖だけで一日に必要なミネラルが摂取できるというわけではありません。体に必要な栄養素は、様々な食材からバランスよく摂取することが大切だと言われています。しかし現代においては、精製された食品原料が多いためミネラル不足になりやすいということも懸念されています。お菓子やお砂糖という生活必需品を選ぶときに、ミネラル豊富な黒糖を選ぶということは、健康に良い食材選択と言えるでしょう。
さて、ここでひとつ、面白いものを紹介させてください。「ライフハッ課ルミちゃん」「黒糖初心者彩火星のおすすめ沖縄黒糖料理」「砂川研究員の研究日記」「黒糖トリビア教えて宇良次長」「それいけ!赤嶺部長」…これらは、沖縄黒糖の生産者団体である沖縄県黒砂糖協同組合が、黒糖にまつわる情報を楽しく、おかしく、わかりやすく発信しているInstagramの動画シリーズです。時間を忘れるくらい、見ていて飽きない黒糖情報が配信されています。Instagramをご利用の方は「okinawa.kokuto」で検索してみてください。
(一社) 沖縄県健康産業協議会 専門コーディネーター 照屋 隆司(日本臨床栄養協会認定 NR・サプリメントアドバイザー/農学修士)