vol.19 豊かな生活への第一歩!あなたを支える骨の秘密

健康寿命と骨の深い繋がり

 いつまでも健康で、活力に満ちた生活を送りたい...。それは誰もが心から願っています。誰からも介護を受けることなく、元気に活躍するためには健康寿命を延ばすことが必要です。では、健康寿命を延ばすためには、どうしたらよいのでしょうか実は、あなたの毎日を支える“骨”が健康へのカギとなっていたのです。

 厚生労働省による要介護の原因を示す調査では、男女で異なる結果が出ています。介護が必要となった主な原因として、男性が「脳血管疾患(脳卒中)」、女性では「認知症」の割合が最も高くなっています。そして意外にも、女性は「骨折・転倒」が第2位を占めています。これは男性の統計結果では第5位にあたるため、女性にとって骨折や転倒のリスクは大きいことがわかります。骨密度が減少し、骨が折れやすくなると、一度転倒しただけでも寝たきりになってしまう可能性が大幅に上がります。つまり、骨はあなたの健康を左右する重要な役割を果たしていたのです。

豊かな生活への第一歩!あなたを支える骨の秘密 グラフ資料

骨密度が減少する原因

 骨密度は男性、女性ともに加齢によって減少することが確認されており、その減少率は男性よりも女性の方が大きいと言われています。骨密度の低下の主な原因は加齢によるもので、男女とも20歳ごろにピークに達し、その後40歳くらいまでは大きな変化がありません。しかし、その後、加齢に伴い、骨の再構築(リモデリング)のスピードが落ち、骨がどんどんもろくなっていきます。高齢になると、骨密度の低下によって骨折しやすい状態になります。

 また、骨密度の維持には、女性ホルモンの1種である「エストロゲン」が関わっています。閉経を迎えるとエストロゲンが減少し、骨密度維持の働きが弱まるため、骨粗しょう症になりやすくなります。

 さらに、生活習慣が影響し骨密度が低下することがあります。代表的なものは、運動不足や喫煙・飲酒・過度なダイエットなどです。また食事からのカルシウム・ビタミンD・ビタミンKなどの欠乏も、骨密度の低下につながります※2

骨密度の減少を予防するには?

 予防には、「カルシウム」と「ビタミンD」の摂取が重要です。
「カルシウム」は骨の形成を促進する栄養素であり、乳製品や小魚、大豆製品、野菜類、海藻に多く含まれています。しかし、身体への吸収率は比較的低く、成人で25%〜30%です※3。そのため、実はカルシウム不足に陥っている場合があります。
 厚生労働省は、成人1日当たりの推奨量を、男性で700mg〜800mg、女性で650mgに設定しています。例えば牛乳では、コップ半分で約100mg、瓶1本で約200mgのカルシウムが含まれています。牛乳や乳製品は、カルシウムの含有量と吸収率ともに優れた食品です※4

 そして、最も重要なのが、カルシウムの吸収を促進する「ビタミンD」です。不足すると、成人の場合は「骨の軟化」、小児の場合は「骨の成長障害」、高齢者の場合は「骨粗鬆症」や骨折による寝たきりのリスクが高まります※5。ビタミンDは、日光を浴びることにより体内でつくり出すことができ、食品ではきのこ類や魚介類、卵等に含まれています。サプリを取り入れることもオススメです。

 さらに、「骨に刺激が加わる運動」も推奨されています※6。安全面に注意しながら無理のない範囲で、ウォーキングや筋力トレーニングなどの運動を取り入れると良いでしょう。

 このように、骨密度減少の予防には、骨をつくる食事・骨を丈夫にする運動が重要になります。日々の生活で骨に意識を向けることが、健康寿命を延ばすことに繋がります。

健康測定会の様子

健康測定会の骨ウェーブブースの様子(上写真)

 若々しく活力に満ちた生活を送るためには、自身の身体の現状を理解して対策に講じることが大切です。私たちヘルスサポートの健康測定には、バーを軽く握るだけで骨の強さ(骨強度)を測ることができる「骨ウェーブ」という測定があります。自分の骨について気になった方はぜひご利用ください!丈夫な身体をつくり、健康な毎日を過ごしていきましょう!


〈参考文献〉
1)厚生労働省(2018)2018(令和元)年国民生活基礎調査.
Microsoft Word - 00 19 表紙1(公表資料).docx(mhlw.go.jp)
(参照日 2023年11月20日)

2)公益財団法人長寿科学振興財団(2019)骨粗鬆症の原因.
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/kotsu-soshoushou/shindan.html
(参照日 2023年11月9日)

3)厚生労働省(2019)「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書.
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
(参照日 2023年11月9日)

4)厚生労働省(2021)骨粗鬆症の予防のための食生活.
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-007.html
(参照日 2023年11月9日)

5)厚生労働省(2021)骨粗鬆症の予防のための食生活.
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-d.html
(参照日 2023年11月25日)

6)厚生労働省(2022)骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を.
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-001.html
(参照日 2023年11月9日)

担当:名桜大学ヘルスサポート橘杏奈、糸数玲音、川脇さくら